アマノウズメと出会う-会いにいく②-
天の岩戸、
なんていうか、なにも知らないわたしでも感じ取れたものがあった。
いろんな不安を、抱えながら旅行していたのに
この時だけは心がクリアになった。
「ようこそ」
そんなふうに言われている気がした。
天の岩戸がどんなところかよく知らず
ロングスカート履いていた私。
それを持っていて
細い山道を登るような格好ではなかった。
しかも私はかなり体力がない。
「これ、、、登れる、、、?」
と、頭が考えるよりも先に
私の体はズンズンと上へ、上へ、と登って行っていた。
「行かなきゃ、会わなきゃ」
そんな思いだった。
降り出しそうだった雨雲が、急に晴れて光がさした。
こっちだよ、とばかりに
光が導いてくれた。
神さまは、いる。
そんなことを心から思えた瞬間だった。
ずっと、上を見上げながら歩いていた。
不思議な石。
ずっと見惚れてた。
帰ろうとしたとき、雨が降ってきた。
最初は、パラパラ程度だったので
大丈夫かーと思っていたけれど
だんだんと雨は強くなる。
傘は、辛うじて一つ折り畳みがあったけど
親子2人では少々窮屈だった。
傘を広げていると、
一台の車が止まった。
知らないご夫婦が、
「乗っていって」と、車に乗せてくれた。
おかけで、帰りのバスにも間に合って
ご夫婦と楽しい会話もできた。
こんな年齢になっても、
ご夫婦で天の岩戸へ行ける
あぁ、私も、こんな夫婦になりたいな。
そう思っていた。